新型コロナウイルス感染防止に関するQ&A

(財団法人マンション管理センターHPより引用しました)


マンション管理組合の総会や理事会をITを活用して開催することに関するQ&Aについて


ITを活用した総会・理事会の開催に関するQ&A(改訂版) 

 

Q1

新たに位置づけられた「WEB 会議システム等」と、従来からの「電磁的方法」とは、どう違うのですか。管理規約では、WEB 会議システム等を用いて総会や理事会を開催することができる規定を設けていませんが、WEB 会議システム等を用いて総会等を開催することは可能ですか。 

 

A1

「電磁的方法」とは、集会(マンション標準管理規約(単棟型)(以下「標準管理規約」といいます。)第42条第2項において、建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69 号。以下「区分所有法」といいます。)上の集会を「総会」としているため、以下「総会」といいます。)における議決権行使の方法について定める区分所有法第39条第3項において、「電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて法務省令で定めるものをいう。」と定義されており、具体的には、インターネット回線を利用したメールでの送信等が想定されています(標準管理規約第2条第10号もこれにならって規定しています。)。また、区分所有法第45条においては、総会を開催することなく決議を行う手法として、電磁的方法による決議が認められていますが、この場合には、決議を電磁的方法で行うことについて区分所有者全員の承諾が必要となります(総会を開催した上で、電磁的方法による議決権の行使を認める場合には、その旨の規約の設定や総会の決議が必要となります(区分所有法第39条第3項)。)。 

 

これに対して、「WEB会議システム等」とは、標準管理規約第2条第11号において、「電気通信回線を介して、即時性及び双方向性を備えた映像及び音声の通信を行うことができる会議システム等」とされており、具体的には、インターネット回線を利用して即時的かつ双方向的に映像及び音声を通信することによって互いの意思疎通を図ることができるシステムと考えられています。 

 

ITを活用した総会・理事会とは、WEB会議システム等を用いて開催する総会や理事会であり、区分所有者がWEB会議システム等を用いて総会等に参加した場合であっても、当該区分所有者が管理者等(理事長等)や他の区分所有者等と即時的かつ双方向的に映像及び音声を通信する環境が確保されているのであれば、総会等の会場を訪れた上で総会等に出席する場合と同様の効力があると考えられており、今般の標準管理規約改正もこの考え方に基づいて各規定が整備されています(標準管理規約第38条関係コメント等)。このため、ITを活用した総会等を開催するに当たって、規約の改正等は必ずしも必要ないと考えられていますが、今般の標準管理規約改正は、ITを活用した総会等を開催することが可能であることを明確化するために行われました。 

 

一方、WEB 会議システム等を利用することが困難な区分所有者への対応や総会開催中に通信障害が発生した場合の対応等については、事前に管理組合内で検討をしておく必要があると考えられます。 

 

Q2

WEB 会議システム等を用いて総会を開催する場合はどのような形態が考えられ、開催に当たっての留意事項としてはどのようなことが考えられますか。また、WEB 会議システム等を用いて総会を開催する際に、組合員はどのような方法で議決権を行使するのですか。 

 

A2 

ITを活用した総会等の開催方法や開催に当たっての留意事項は、(一社)マンション管理業協会が公表した「IT を活用した総会の実施ガイドライン」※をご参照ください。また、IT を活用した総会等を開催する際の議決権の行使方法としては、WEB 会議システム等のチャット機能や投票システム等を用いて行使する方法、事前に書面等によって行使する方法等が考えられます。 

※http://www.kanrikyo.or.jp/report/pdf/webmeeting/03.pdf 

 

Q3

WEB会議システム等を用いて開催される総会において、議決権は書面で行使したうえで、総会の動画を傍聴することはできますか。 

 

A3 区分所有者等が事前に議決権を行使した上で総会等を傍聴することは、これまでも認められており、WEB 会議システム等を用いて総会等を開催する場合であっても同様であると考えられます。 

 

Q4 

WEB会議システム等を用いて開催する総会において、区分所有法第43条で規定されている管理者による事務に関する報告を行うことはできるのですか。 

 

A4

WEB会議システム等を用いて開催する総会において、管理者等(理事長等」が当該システム等を用いて出席し、報告を行うことも可能であると考えられます。一方、WEB会議システム等を用いていない場合と同様に、各区分所有者からの質疑への対応等について適切に対応する必要があることに留意する必要があります(標準管理規約第38条関係コメント②)。 

 

(令和4年3月) 

 

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新型コロナウイルス感染拡大における通常総会開催に関するQ&Aについて


新型コロナウイルス感染拡大における通常総会開催等に関する Q&A(改訂版) 

 

Q1

総会の会場を訪れることなく議決権を行使することはできませんか。また、実際の会場を設けることなく、総会を開催することはできませんか。 

 

A1

集会(マンション標準管理規約(単棟型)(以下「標準管理規約」という。)第42条第2項において、建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。以下「区分所有法」という。)上の集会を「総会」としているため、以下「総会」という。)の会場を訪れることなく、議決権を行使する方法としては、書面又は代理人によって議決権の行使が考えられます(区分所有法第39条第2項)。また、規約の定め又は総会の議決がある場合には、電磁的方法(メールでの送信等)によって議決権の行使も考えられます(区分所有法第39条第3項)。そのほか、区分所有者全員の承諾がある場合には、書面又は電磁的方法によって決議を行うことも考えられます(区分所有法第45条第1項)。 

一方、実際の会場を設けることなく、総会を開催する方法としては、WEB会議システム等を用いて総会を開催する方法が考えられます。WEB 会議システム等を用いて総会を開催する方法の具体的な内容については、別に掲載している「ITを活用した総会・理事会の開催に関するQ&A

(改訂版)」をご参照ください。 

また、上記のとおり、区分所有者全員の承諾を得て、書面又は電磁的方法によって総会の決議を行った場合であっても、別途、管理者等(理事長等)は、少なくとも毎年一回総会を招集し(区分所有法第34条第2項等)、総会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならないと考えられています(区分所有法第43条等)。これらの規定は、前年の総会開催時から1年以内に必ず総会の招集をし、総会において事務報告をすることを求めているわけではないと考えられており、法務省からは、今般の新型コロナウイルス感染症に関連し、前年の総会の開催から1年以内に総会の開催をすることができない状況が生じた場合には、その状況が解消された後、本年中に総会を招集し、総会において必要な報告をすれば足りるとの見解が示されています※。 

※ https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00024.html 

 

そのほか、標準管理規約第42条第3項において、理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2か月以内に招集しなければならないこととされていますが、災害又は感染症の感染拡大等が発生しており、WEB 会議システム等を用いた総会の開催も困難である場合等のやむを得ない場合においては、通常総会を必ずしも新会計年度開始以後2か月以内に招集する必要はなく、これらの状況が解消された後、遅滞なく招集すれば足りると考えられています(標準管理規約第42条第3項関係コメント)。 

 

Q2

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関する注意喚起が続いている中ですが、今年度の通常総会は、会場を設けて、組合員に参集してもらう方法で開催したいと考えています。   どのような点に留意して開催すればよいでしょうか。 

 

A2

感染症の感染拡大等が発生している場合において、会場を設けて、組合員が参集する形で通常総会を開催しようとする際には、そのような形で通常総会を開催することに対するリスクや、組合員の安全・安心等を確保するための措置等について、慎重に検討されるべきものと考えられます。 

  また、会場を設けて総会を開催しようとする場合には、注意喚起の内容を遵守するとともに、次のような点に留意する必要があります。 

 

1、会場を設定し、組合員が参集する形で通常総会を開催する必要性等を踏まえつつ、組合員に対して、可能な限り、書面等による議決権行使を呼びかける。 

ただし、総会招集時において、出席者を特定したり、出席者の員数を定めたりする等、組合員の総会への出席の機会を奪うことのないようにする必要があります。 

 

2、会場に参集する形での出席を希望する組合員に対しては、注意喚起の内容等を厳守してもらうことを事前に通知しておく。 

 

3、招集通知を送付した後であっても、感染者数の推移等を踏まえ、開催を延期することも含めた柔軟な対応をする。 

 

Q3

  災害の発生や感染症の感染拡大等により、通常総会を招集することが困難な場合には、開催を延期することはできますか。 

 

A3

管理者等(理事長等)は、少なくとも毎年一回総会を招集し(区分所有法第34条第2項等)、総会において、毎年一回一定の時期に、事務報告をしなければならないと考えられています(区分所有法第43条等)。これらの規定は、前年の総会開催時から1年以内に必ず総会の招集をし、総会において事務報告をすることを求めているわけではないと考えられており、法務省からは、今般の新型コロナウイルス感染症に関連し、前年の総会の開催時から1年以内に総会の開催をすることができない状況が生じた場合には、その状況が解消された後、本年中に総会を招集し、総会において必要な報告をすれば足りるとの見解が示されています※。 

 ※ https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00024.html 

 

また、標準管理規約第42条第3項において、理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2か月以内に招集しなければならないこととされていますが、災害又は感染症の感染拡大等が発生しており、WEB 会議システム等を用いた開催も困難である場合等のやむを得ない場合においては、通常総会を必ずしも新会計年度開始以後2か月以内に招集する必要はなく、これらの状況が解消された後、遅滞なく招集すれば足りると考えられています(標準管理規約第42条第3項関係コメント)。 

 

Q4

通常総会の開催を延期することを理事会で決定してよいですか。 

 

A4

通常総会の開催の延期に係る規定が管理規約にない場合には、理事会において、通常総会を開催することのリスクや、組合員の安全・安心等を勘案し、通常総会を開催すべきか否かを検討することが考えられます。その結果、やむを得ない対応として、通常総会の開催を延期することとした場合には、組合員に対して、通常総会の開催延期は、やむを得ない対応であることを理解してもらう必要があると考えられます。 

 

Q5

通常総会の開催を延期する場合にはどのような手続きが必要ですか。 

 

A5

通常総会の開催を延期する場合の手続きを管理規約に規定していない場合の一例としては、次のような手続きが考えられます。 

 

1、理事会を開催し、組合員の安全・安心等を確保するためのやむを得ない対応として、通常総会の開催を延期することを決議する。併せて、通常総会が開催できるまでの間の管理組合の運営は次のとおりに行うことを確認又は決議する。 

 

ア  後任の役員が就任するまでの間は現在の役員がその職務を行うこと(標準管理規約第36 条第3項) 

イ 会計年度の開始後、通常総会において今期収支予算案の承認を得るまでの間は、規約の定めに従って予算を執行すること(標準管理規約第58条第3項) 

ウ 管理会社との委託契約については、従前の契約内容と同一内容の契約を暫定契約として締結すること 

※この点については、(一社)マンション管理業協会発行の「マンション管理会社の感染症等流行時対応 ガイドライン」※をご参照ください。 

※ http://www.kanrikyo.or.jp/report/pdf/gyoumu/virus_20200227.pdf 

 

2、組合員に対し、理事会で確認又は決議した事項を通知する。また、通知と同時に通知した内容を書面で掲示することも考えられます。 

 

3、通常総会の開催を延期すること等に関する組合員からの問合せ等については、理事長が真摯に対応する。 

 

4、その後、通常総会を開催できる状況になった場合には、遅滞なく開催し、前期の役員が継続して行った職務等を報告するとともに、改めて、役員の選任、収支予算、管理委託契約の更新について決議する。 

 

Q6

通常総会の開催を延期する場合には、管理会社との委託契約の更新はどのようにすればよいのですか。 

 

A6

緊急時のやむを得ない対応としては、理事会において、従前の契約内容と同一内容の契約を暫定契約として締結することを決議することが考えられます。この場合には、理事会の決議により暫定契約を締結することについて、事前に、管理会社と協議し、理解を得ておくことが重要です。その後、通常総会を開催できる状況になった場合には、遅滞なく開催し、管理会社と従前の契約内容と同一内容の契約を暫定契約として締結していたことを報告するとともに、改めて、委託契約の更新について決議する必要があります。 

 

Q7

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、集会室の使用を禁止したいと考えていますが、理事会の決議によって使用を禁止することはできるのでしょうか。 

 

A7

マンションにおける感染症の感染拡大のおそれが高いと認められた場合においては、使用細則を根拠として、集会所の使用を一時的に停止・制限することは可能であると考えられます(標準管理規約第18条関係コメント①)。 

 

(令和4年3月) 

 

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